紙をめぐる話|紙の生まれる風景 No.28
特種東海製紙 岐阜工場 長網抄紙機 タントN-52
2021.04.30
初出:PAPER’S No.63 春号
2021.04.30
初出:PAPER’S No.63 春号
目にすると脳裏に焼き付いて離れない、鮮烈な赤。
したたる艶が、熱い温度を伴って心の深くまで
染み込んでくる。ファインペーパーの故郷である
特種東海製紙岐阜工場は、無数の紙の彩りを
創造してきた色の工場でもある。
タントはその代表例。1970年頃から同社の
顧問を務めていたデザイナーの田中一光氏と、
ファインペーパーの開発者である杉本友太郎氏の
気の遠くなるような検証の果てに生み出された。
色の機微を知り尽くした田中氏の目指す水準は
途方もなく高く、発売当時のラインナップであった
100色が決まるまでに杉本氏が手抄きした
色見本の試作は、一万枚にも及んだという。
他に類を見ないほど豊富なタントの色数は、
まさに執念の集積。古来より日本では
赤は燃え立つものの象徴とされてきたが、
理想を実現するために惜しみなく注ぎ込まれた
二人の情熱は、人の心を高揚させる色となって、
今でもほとばしり続けていた。
したたる艶が、熱い温度を伴って心の深くまで
染み込んでくる。ファインペーパーの故郷である
特種東海製紙岐阜工場は、無数の紙の彩りを
創造してきた色の工場でもある。
タントはその代表例。1970年頃から同社の
顧問を務めていたデザイナーの田中一光氏と、
ファインペーパーの開発者である杉本友太郎氏の
気の遠くなるような検証の果てに生み出された。
色の機微を知り尽くした田中氏の目指す水準は
途方もなく高く、発売当時のラインナップであった
100色が決まるまでに杉本氏が手抄きした
色見本の試作は、一万枚にも及んだという。
他に類を見ないほど豊富なタントの色数は、
まさに執念の集積。古来より日本では
赤は燃え立つものの象徴とされてきたが、
理想を実現するために惜しみなく注ぎ込まれた
二人の情熱は、人の心を高揚させる色となって、
今でもほとばしり続けていた。